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2026-07
微生物ごとに得意な発酵の違い②
酵母 ― 香りとアルコールを生み出す発酵
いつもキティーブログをご覧いただきありがとうございます。
暑い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
少し前、神奈川県内に13蔵あると言われている酒蔵の一つ、中沢酒造様の「酒蔵まつり2026」に参加してきました。
チケット制でさまざまな味わいや香りのお酒を試飲できる、酒好きにはたまらないイベントです。
普段何気なく楽しんでいる日本酒ですが、そのおいしさや香りの裏側では、実は微生物たちが大活躍しています。
前回ご紹介した乳酸菌は、乳酸を作り出して発酵環境を整え、腐敗菌の増殖を抑える役割を担っていました。
今回は、その環境の中で活躍するもう一人の主役、
「酵母」
についてご紹介したいと思います。
酵母とはどんな微生物か
酵母は、糖を分解して
- アルコール
- 二酸化炭素
- 香り成分
を作り出す微生物です。
代表的な酵母として「サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)」が知られていて、日本酒、ビール、ワイン、パンなど、多くの食品づくりに利用されています。
私たちが感じる「発酵らしさ」の多くは、実は酵母の働きによって生み出されていると言っても過言ではありません。
酵母が生み出すアルコールと炭酸ガス
酵母の代表的な働きは、糖をアルコールと二酸化炭素に変えることです。
例えば、
- 日本酒ではアルコール
- ビールではアルコールと香り
- パンでは炭酸ガスによる膨らみ
として利用されています。
パン生地がふっくら膨らむのも、酵母が発生させた二酸化炭素によるものです。
同じ微生物でありながら、利用方法によってまったく異なる食品が生まれるのは興味深いところですね。
酵母の本当の魅力は「香り」
実は酵母の価値は、アルコールを作ることだけではありません。
発酵中には様々な香り成分も生成されます。
日本酒でよく表現される
- リンゴのような香り
- バナナのような香り
- 華やかな吟醸香
なども酵母の働きによるものです。
ビールやワインにおいても、それぞれの酵母が生み出す香りが個性となっています。
つまり酵母は、
「味」だけでなく「香り」を設計する微生物
とも言えるのです。
乳酸菌との違い
前回ご紹介した乳酸菌と酵母を比較すると、
乳酸菌
- 乳酸を生成する
- 保存性を高める
- 発酵環境を整える
酵母
- アルコールを生成する
- 炭酸ガスを生成する
- 香りを作り出す
という違いがあります。
乳酸菌が守り役だとすると、
酵母は発酵食品のおいしさや個性を引き出す"演出家"のような存在かもしれません。
発酵は微生物のチームプレー
発酵食品は、一種類の微生物だけで作られているわけではありません。
日本酒や味噌、醤油などでは、
- 麹菌
- 乳酸菌
- 酵母
といった微生物たちが、それぞれの得意分野を活かしながら発酵を進めています。
一つひとつの微生物の役割を知ると、発酵食品を見る目も少し変わってくるのではないでしょうか。
まとめ
酵母は、
アルコール、炭酸ガス、そして香りを生み出す微生物
です。
乳酸菌が整えた環境の中で活躍し、発酵食品に個性と魅力を与えています。
次回は、日本の発酵文化に欠かせない
「麹菌」
についてご紹介したいと思います。
どうぞお楽しみに。
