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2026-09
植物由来の乳酸菌は、歯周病に関係する細菌にどう働く?
乳酸菌と聞くと、おなかの調子を整える働きを思い浮かべる人が多いかもしれません。乳酸菌には、口の中の細菌に作用するものもあります。2026年の研究では、茶葉や大麦若葉などから見つかった乳酸菌を調べました。
ただし、この研究は試験管の中で行われたものです。人の口の中で効果があるか、歯周病を予防できるかを調べた研究ではありません。
いろいろな場所から見つかった80株を比較
研究者たちは、茶葉、ニンジン、大麦若葉、発酵野菜から見つかった乳酸菌、合わせて80株を比べました。
調べたのは、乳酸菌そのものではなく、乳酸菌を育てた液から菌を取り除いた「培養上清」です。酸の働きを除くため、液を中性に近いpH 7.0にしてから実験しました。
細菌の集まりができにくくなった
歯周病に関係する細菌の一つに、Porphyromonas gingivalis(P. gingivalis)があります。この細菌を使った実験では、茶葉由来の乳酸菌26株のうち25株、大麦若葉由来の20株すべてで、細菌の集まり(バイオフィルム)ができにくくなりました。
ニンジン由来では11株中5株、発酵野菜由来では23株中16株に同じような変化がありました。全体として、茶葉や大麦若葉由来の菌株で、より強い働きが見られました。
これは実験室の中で測った結果です。人の口のねばつきが取れたり、口の中の細菌の集まりが減ったりするかは、まだ分かっていません。
細菌の「働きに関係する遺伝子」に変化
研究者たちは、細菌の遺伝子がどれくらい働いているかも調べました。茶葉や大麦若葉由来の培養上清を加えると、P. gingivalis の fimA、kgp、rgpA などの遺伝子の働きが弱まっていました。これらは、細菌がくっついたり、タンパク質を分解したりする働きに関係します。
ただし、遺伝子の働きが弱まったことは、細菌の力が完全になくなったことを意味しません。遺伝子から作られるタンパク質の量や働き、人の体への影響までは、この実験では調べていません。また、細菌同士の合図を止めたことも確認されていません。
酸以外の成分が関係しているかもしれない
培養上清を中性に近いpH 7.0にしても、細菌への働きが見られました。そのため、酸以外の成分も関係している可能性があります。
論文では「バクテリオシン」という、乳酸菌が作ることのある抗菌成分などが候補として挙げられています。でも、今回の研究で成分が見つかったわけではありません。何が働いているのか、どう作用するのかは、これから調べる必要があります。
分かったことと、これから調べること
別の実験では、茶葉や大麦若葉由来の一部の菌株が、P. gingivalis のほかに Fusobacterium nucleatum にも働きました。一方、今回調べた菌株は Aggregatibacter actinomycetemcomitans には働きませんでした。どの乳酸菌が、どの細菌に働くかは、菌株の種類によって違うようです。
この研究から、植物由来の乳酸菌の中には、歯周病に関係する細菌に働くものがあると分かりました。けれども、実験は試験管の中で行われたものです。人の口の中でも同じ働きがあるか、歯周病を予防できるかを知るには、さらに研究が必要です。
参考文献
Tsujikawa Y, Yamamoto J, Naito M, Sakane I. (2026). Source-dependent antimicrobial activity of plant-derived lactic acid bacteria against periodontal pathogens. Bioscience of Microbiota, Food and Health, 45(2), 149-157. doi:10.12938/bmfh.2025-055
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※ここまでのお話について:乳酸菌の研究は日々進歩しており、あくまで現時点の「可能性」としてご紹介をいたしました。
記事中のインフォグラフィックは、同文献に基づき、AI(Copilot)で作成したものです。
