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株式会社キティー・ブログ

キティー社員が更新するブログです。おいしいものや乳酸菌の情報を発信していきます!

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2026-03

基礎的な発酵のメカニズム──微生物がつくる"おいしさ"の正体

発酵

いつもキティーブログをご覧いただきありがとうございます。

先日の三連休、神奈川県海老名市にある泉橋酒造で蔵開きに参加してきました。申し込みは毎年12月ごろにあり、即日Sold-Outしてしまう人気のイベントで、昨年も一緒に参加した友人に予約していただきました。

試飲9種.jpg

蔵開き商品一覧.jpg

9種も試飲ができ、500円チケットもいただけるので、日本酒のアテになるおつまみも選べ、みんなでワイワイと楽しんできました。日本酒づくりの工程も発酵そのものなので、蔵開きに参加すると改めて「発酵の奥深さ」を実感しました。

さて、前回は福井県の郷土料理「へしこ」を取り上げ、発酵食品の奥深さについてご紹介しました。今回は、その続きを踏まえて 基礎的な発酵のメカニズムに触れたいと思います。

「発酵は知っているけれど、具体的にどういう仕組みなの?」
そんな疑問をお持ちの方に向けて、できるだけわかりやすく整理してみました。

発酵とは何か?

改めて、発酵とは、微生物が食材中の糖・タンパク質・脂質などを分解し、別の物質へと変化させるプロセスになります。

その過程で、酸味・甘味・旨味・香り・色などが大きく変化し、食品としての価値を高めることができます。

火を使う前から人類が利用してきた技術であり、「保存」と「おいしさ」を同時に叶える先人の知恵そのものと言えます。

発酵に影響する4つの要素

発酵がうまく進むかどうかは、主に以下の4つの要素によって決まります。

温度微生物の活動スピードを左右する

微生物にはそれぞれ「最も活動が活発になる温度帯」があります。

・乳酸菌:3040℃

・酵母:2530℃

・麹菌:3035℃

温度が高すぎると死滅し、低すぎると活動が弱まるため、食品ごとに適切な温度管理が欠かせません。味噌や日本酒づくりなどでは、温度管理が品質を左右すると言われるほど重要です。

② pH((酸性か中性かを示す指標)微生物の住みやすさに直結

微生物ごとに、好む酸性度が異なります。

・乳酸菌:酸性に強い

・酵母:弱酸性を好む

・腐敗菌:中性付近で増えやすい

発酵食品が腐りにくいのは、微生物が作り出す酸(乳酸など)によって pHが下がり、腐敗菌が増えにくくなるためです。

酸素必要な微生物と不要な微生物がいる

・酢酸菌酸素が必要(好気性)
・乳酸菌酸素が無くても発酵できる(嫌気性)
・酵母種類によるが、基本は酸素がなくても発酵可

この違いが、食品の作り方(密閉するのか、空気に触れさせるのか)にも影響しています。

栄養源微生物が"食べるもの"

微生物は主に以下を分解します。

・糖アルコール・乳酸・香り成分

・タンパク質アミノ酸(旨味)

・脂質香り成分

へしこや味噌のような「長期熟成食品」で旨味が増すのは、微生物や酵素がゆっくり働くことで アミノ酸がたくさん生成されるからです。

発酵と腐敗の違いは?

「発酵と腐敗って何が違うのか」説明することはできるでしょうか?

結論は微生物の働きによって、人にとって"有益か有害か"で判断されるということ。

・発酵:有益な微生物が働き、美味しさや栄養価が増す

・腐敗:有害な微生物が増え、悪臭や毒素が発生する

どちらも「微生物が働いている」という点は同じですが、
発酵が進む環境では腐敗菌が増えにくいため、安全で美味しい食品が生まれます。

まとめ

発酵は、
「温度」「pH」「酸素」「栄養源」の4つの条件のバランスによって生まれる、微生物の力の結晶です。

微生物の特性を知ることで、発酵食品がなぜ美味しく、安全で、体に良いのかがよく理解できます。また、当社でも発酵技術を活用した原料・製剤を扱っており、商品開発に役立てております。

次回は、さらに発酵を深掘りしていければと思っておりますので、お楽しみに!